心筋症

病気・治療を知る

心筋症とは?

心臓は、心筋を拡張させて静脈血を受け入れ、収縮させて動脈血を送り出すポンプの役割をしています。心筋症とは、心筋そのものの構造の障害に伴い、心臓の収縮作用や拡張作用が低下することによって、心臓本来の働きである全身へ血液を送るポンプ機能が低下する病気です。

 

心筋症は原因の特定できる「特定心筋症」と明らかな原因が特定できない「特発性心筋症」に分類されますが、一般的に心筋症というと「特発性心筋症」を指します。

突発性心筋症は、拡張型心筋症が代表的ですが、他には肥大型心筋症、拘束型心筋症、不整脈原性右室心筋症、たこつぼ型心筋症などがあります。

心筋症の検査・診断

心エコー検査

心臓の大きさや心筋の厚さだけでなく、心筋の収縮の状態などをみることができます。

心筋症の診断のほか、定期的な経過観察や治療効果の判定にも大切な検査です。

 

心電図検査、ホルター心電図検査

心室の肥大や、心房にどれだけ負担がかかっているか、さらに心筋症に伴って生じる不整脈や心臓の中の電気の伝わり方の異常なども知ることができます。

不整脈を調べるには、心電図を24時間、記録できる「ホルター心電図検査」が役立ちます。

 

胸部X線検査

心臓が拡大しているかどうか、左心室と右心室のどちらが拡大しているかなどを調べます。

また、肺に血液がたまっていないか(肺うっ血)、胸郭内に水分がたまっていないか(胸水)などを確かめ、心不全の合併について確認します。

 

血液検査、尿検査

血中の「脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」、もしくは「ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端フラグメント(NT-proBNP)」という物質の量によって心不全かどうかを調べます。

さらに詳しい検査が必要な場合は、連携医療機関にて心臓カテーテル検査、心筋生検、CT検査、MRI検査を行うこともあります。
拡張型心筋症

拡張型心筋症とは

拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり拡張して収縮力が低下する病気です。

進行すると血液を適切に全身に送ることができなくなってしまい、心不全や不整脈を生じる病気です。

正常
拡張型心筋症

拡張型心筋症の症状

初期の場合には自覚症状がないこともありますが、病状が進行すると、全身倦怠感や動悸、少しの歩行や階段の上り下りでの疲労や息切れ、呼吸困難、むくみなどの心不全症状が現れます。

呼吸困難は、初期には運動時に現れますが症状が進むと安静時にも出現し、夜間の呼吸困難や咳なども起こります。他には、全身の臓器障害によって、黄疸や尿量の減少という症状が出ることもあります。

 

さらに心機能の低下が進むと、重度の浮腫や不整脈が現れます。不整脈は失神や急死の原因となるため注意が必要です。さらに、心臓の中に血栓が形成されてしまい、それが脳の動脈に詰まることで脳梗塞などの塞栓症を起こすこともあります。

拡張型心筋症の治療

症状や病態に応じて治療法を選択します。症状がない時でも定期的な観察は欠かせません。

拡張型心筋症の治療

症状や病態に応じて治療法を選択します。症状がない時でも定期的な観察は欠かせません。

 

〈薬物療法〉

心臓の負担をとることと、心臓の障害をこれ以上悪化させないための治療です。

拡張型心筋症の治療にはベータ遮断薬 が有効であることが明らかになっています。また、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬も延命効果や運動耐容能(有酸素運動能力)の改善が認められており、ベータ遮断薬と併用して使用する場合が多いです。

その他、浮腫や不整脈などの症状に対しては、利尿剤や抗不整脈薬が使用され、心収縮力の低下に対しては強心薬が使用されることもあります。

各種薬剤は必ず専門医の指示に従って服用しましょう。

 

〈不整脈に対する手術〉

重い不整脈に関しては、薬物治療以外に高周波カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み術や植え込み型除細動器などが必要なことがあります。

 

〈心不全に対する手術〉

重症心不全に対しては、心臓再同期療法や補助人工心臓、左室形成手術(バチスタ手術)、心臓移植などが必要になることもあります。

肥大型心筋症

肥大型心筋症とは

肥大型心筋症は、心筋が分厚くなり心臓の機能が障害されていく病気です。心筋が肥大すると、心室内腔は狭くなり、本来心室に蓄えられるべき血液の量も減ってしまいます。そのため一回の心拍で全身や肺に送り出せる血液量も低下して、必要な血液を全身に送り届けられなくなります。

正常
肥大型心筋症

肥大型心筋症の症状

無症状かわずかな症状を示すだけのことが多く、健診で心雑音や心電図異常をきっかけに診断にいたるケースが少なくありません。

肥大型心筋症は進行すると、不整脈に伴う動悸やめまい、運動時の呼吸困難、胸の圧迫感などが現れます。重篤な場合には、心室からの血液供給の減少、不整脈が生じることによって失神や突然死をきたすこともあります。

肥大型心筋症の治療

症状や病態に応じて治療法を選択します。無症状や軽症の場合は経過観察になることもあります。

 

〈薬物療法〉

過剰な心筋の収縮力を抑えることを目的として、左心室を拡がりやすくするためにβ 交感神経 受容体遮断薬やカルシウム拮抗薬を用います。

心房細動 という不整脈になると、心不全が急に悪化したり、 塞栓症 を生じたりすることがあるため、不整脈を抑える薬や血を固まりにくくする 薬を使用します。

各種薬剤は必ず専門医の指示に従って服用しましょう。

 

〈心室中隔切除術〉

肥大した心筋を切除するか小さくする方法です。

外科的に心筋を切除する方法と、心筋に栄養を与えている動脈にアルコールを注入して肥大した心筋を小さくさせる方法があります。

 

〈両心室ペースメーカー、植え込み型心室細動装置〉

心不全の改善、突然死予防のために両心室ペースメーカー、植え込み型心室細動装置(ICD)を取り付ける場合もあります。

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