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心不全

病気・治療を知る

心不全とは

心不全とは、心臓の病気や高血圧などが原因となり、心臓の機能が低下することによって、息切れやむくみなどが起こってしまう状態のことです。

心不全の治療をせずに放置すると、どんどん悪化してしまい、最終的には命に影響する状態となります。

心不全の原因

「虚血性心疾患」「高血圧」「弁膜症」が心不全を引き起こす3大原因です。

〈心臓の機能に原因がある場合〉
  • 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

  • 弁膜症

  • 心筋症

  • 不整脈

  • 心筋炎

  • 先天性心疾患

など

〈心臓の機能以外に原因がある場合〉
  • 高血圧

  • 肺疾患

  • 腎臓病

  • 糖尿病

  • 睡眠時無呼吸症候群

  • 甲状腺機能亢進症・バセドウ病

  • 過度のアルコール摂取

  • 薬剤

など

心不全の症状

息切れや足のむくみは、心不全の患者さんで頻度の多い初期症状です。

これらの症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。

 

息切れ、動悸、体のだるさ

心不全になると全身の臓器や血管で血流が滞ってしまい、脳や消化管や筋肉などに分配される血液量が減るため、各臓器の働きが低下します。

そのため疲れやすくなり、坂道や階段では息切れや動悸がします。
 

むくみ・体重の増加

心不全になると腎臓に流れる血液も少なくなるため、尿の量が減り、体全体に水分が溜まります。

そのため、足の甲やすねがむくんだり、体重が増加したりします。

 

呼吸困難(肺うっ血)

心不全が重症化すると肺に血が溜まり(肺うっ血)、水分が肺にしみだし、酸欠状態になることがあります。

安静にしていても呼吸が困難になったり、起坐呼吸(仰向けでは息苦しくて眠れないが座ると呼吸が楽になる)が現れます。

 

食欲不振・腹部膨満感

心不全が重症化するとうっ血により腸管がむくんでしまい、食欲不振や腹部膨満感が起きることがあります。

心不全の検査・診断

一般的には、心電図検査、心エコー検査、血液検査、胸部レントゲン検査を行い、診断します。

心不全の原因となる疾患がある場合は、原因疾患に対する検査も実施します。

 

心電図検査

心不全をきたす心肥大がないか、心筋梗塞などの有無や不整脈の有無を調べます。

 

心エコー検査

心不全をきたした原因や心不全の程度を確認することができます。

心エコーでは、心不全の原因として虚血性心疾患や心臓弁膜症や心筋症を評価することもできます。

 

血液検査

「脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)」、もしくは「ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端フラグメント(NT-proBNP)」がどの程度かを調べます。

この数値が高いときには、心不全が悪化している可能性が高いからです。

 

胸部レントゲン検査

心臓の形状、胸水が異常に溜まっていないかなどを確認します。

心不全の治療

心不全症状を改善する治療

〈利尿薬〉

肺や全身に溜まった水分を尿として体外に排出しやすくし、心臓の負担を減らす効果があります。

肺や下肢に溜まった水分を排出することで、呼吸困難やむくみなどの症状も改善します。

 

〈ARB、ACE阻害薬

末梢血管を拡張させますので、結果的に血圧を下げて心臓にかかる負担を軽減することができます。

ARB:アンジオテンシンII 受容体拮抗薬

ACE阻害薬:アンジオテンシン変換酵素阻害薬

 

〈β遮断薬〉

交感神経系に働きかけ心臓の負担を減らす効果があります。

心不全の原因となっている疾患の治療

心不全の原因となっている虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や高血圧、心臓弁膜症などを治療します。

詳しくは各疾患の詳細ページをご覧ください。

塩分制限

塩分の多い食事によって血液中の塩分濃度が高くなり、それを薄めるために体は自然と水分を多く摂取したり、体内から水分がでていくのを制限したりします。その結果、体内に水分が溜まり、心臓に負担をかけ、心不全が悪化してしまいます。

高血圧でなくても、心臓に負担をかけないためには塩分制限が必要なのです。目安として心不全をお持ちの方の食塩摂取量は1日6g未満が勧められています。

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