禁煙外来
病気・治療を知る
自分の意思だけでは禁煙は困難
●ニコチン依存症だから禁煙が難しい
タバコが体に良くないは多くの人がご存知かと思います。
また、最近では、ほとんどの公共の場所で喫煙が制限されており、値段も上がる一方です。
健康に害があり、お金もかかると分かっていながら、
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なかなか禁煙を実行できない
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禁煙にチャレンジしたが途中で断念してしまう
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禁煙に至らず、タバコの本数を減らしている
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タバコを吸うことが習慣になっている(吸わないと落ち着かない)
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ストレスでたばこの量が増えてしまう
という方が多いのではないでしょうか。
禁煙が難しいのは、決して意思が弱いからではありません。
「ニコチン依存症」になっているからです。
●禁煙補助薬を使用して禁煙を目指す
タバコは、ニコチンの作用による脳や体への快感(身体的依存)だけでなく、ホッとする、すっきりするといった気持ちの上での依存(心理的依存)が重なっているため、自身の意思だけでは、なかなかやめることができません。
禁煙すると、個人差はありますが、イライラする、体がだるい、仕事に集中できない等の離脱症状(禁断症状)がおこります。これは自分の意思だけではなかなか克服できないものです。
そこで当院では、禁煙補助薬を用いながら禁煙のお手伝いをいたします。禁煙補助薬を使用することで、ニコチン切れの離脱症状(禁断症状)があらわれにくくなり、禁煙を継続しやすくなります。
どうぞお気軽にご相談ください。
保険適用の禁煙治療
禁煙治療は、2006年4月から健康保険が適用されました。
保険適用で禁煙治療を受けるには、下記の要件を全て満たす必要があります。
もしこの条件を満たさない場合であっても自由診療という扱いで禁煙治療を受けることができます。
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ニコチン依存性を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
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(1日の喫煙本数)×(喫煙年数)が200以上
例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります。 -
すぐに禁煙したいと考えていること
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医師から受けた禁煙治療の説明に納得し、禁煙治療を受けることに文書で同意している。
(治療開始前にご署名をいただきます)
※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年が経過しないうちは、自由診療となります。
ニコチン依存性を診断するテスト
下記10項目の質問に対して、1つ当てはまると1点、5点以上で「ニコチン依存症」と診断されます。
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自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
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禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。
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禁煙したり本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくてたまらなくなることがありましたか。
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禁煙したり本数を減らそうとした時に、次のどれかがありましたか。
(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂うつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲または体重の増加) -
「4」でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
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重い病気にかかった時に、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
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タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
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タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
(※)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現したりしている状態。 -
自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
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タバコが吸えないような仕事やつき合いを避けることが何度かありましたか。
禁煙補助薬について
禁煙補助薬には、飲み薬(チャンピックス)とニコチンパッチがあります。
●飲み薬(チャンピックス)の特徴
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飲み薬です。
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ニコチンは含まれていない。
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ニコチン依存に関わる脳内のしくみに作用して禁断症状を軽減する。
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タバコを吸っても「おいしい」と感じにくくする作用がある。
(喫煙による満足感を抑制する) -
ニコチンを含まないため、循環器疾患の患者さんにも使用できる。
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肌の弱い人にも使用できる。
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禁煙の成功率は、ニコチンパッチよりもチャンピックスの方が高いというデータがある。
●ニコチンパッチの特徴
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貼り薬です。
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ニコチンが含まれている。
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貼り薬に含まれたニコチンが毛細血管から吸収され、禁断症状を軽減する。
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貼付しながら喫煙するとニコチン過量となり、不整脈などの副作用が起こる可能性があるため、循環器疾患の患者さんには使用しにくい。
禁煙治療のスケジュール
標準的な禁煙治療のスケジュールは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。
●1回目の受診
喫煙の状況、ニコチン依存症のテスト、禁煙の意志の確認などを行います。
呼気中の一酸化炭素濃度の測定を行います。
禁煙治療の方法、スケジュールをご説明します。
禁煙補助薬を処方します。
●2~4回目の受診
初回から2週目、4週目、8週目にご来院いただきます。
喫煙状況や離脱症状の有無・程度を確認し対処法などのカウンセリングをします。
呼気中の一酸化炭素濃度の測定をします。
一酸化炭素濃度の測定について
診察時には、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定します。一酸化炭素は、タバコの煙に含まれる代表的な有害物質であり、禁煙を始めることにより、この値が次第に下がっていきます。“数値”という目に見える形で改善されていくことが励みとなる患者様も多いようです。
禁煙治療の費用(目安)
年間でタバコ代がいくらになるか計算し、治療費と比較してみましょう。
禁煙治療のQ&A
Q:禁煙外来の成功率はどれくらいですか?
一般的に禁煙外来の禁煙成功率は、70~80%と言われています。
一方、禁煙に自力で取り組んだ場合、成功率は10%程と言われています。
Q:以前、禁煙治療を受けましたが失敗しました。再度、禁煙外来を受診することはできますか?
前回の禁煙治療開始日から1年が経過していれば、再び禁煙治療を受けることができます。
禁煙治療後に禁煙補助薬を継続したい方や、禁煙治療から1年未満でもう一度受けたい方は自由診療となります。
前回の禁煙外来から原則1年間、健康保険を使用して禁煙外来を受診することはできないためです。
Q:長年、喫煙しています。今さら禁煙しても意味がないですか?
そんなことはありません。禁煙が遅すぎるということはなく、禁煙開始から少しずつ健康上のメリットが現れます。
例えば、禁煙を1ヶ月続けると、咳やたん、喘鳴などの呼吸器の症状が改善します。禁煙1年後には、COPD患者さんの肺の機能に改善がみられます。禁煙期間が2~4年経過すると、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気のリスクが、タバコを吸う人と比べて著しく低下します。10年を経過すると、がんのリスクも低下します。
Q:ニコチンの離脱症状が心配です。
離脱症状が心配な方こそ、禁煙補助薬による禁煙治療がおすすめです。
離脱症状をおさえ、スムーズに禁煙を継続することができます。
Q:新型タバコ(加熱式タバコや電子タバコ)は、従来のタバコよりは健康にいいですか?
新型タバコの使用と病気や死亡リスクとの関連性については現時点では明らかになっていません。
新型タバコは、従来の燃焼式タバコに比べてタール(タバコ煙中の有害物質のうちの粒子成分)が削減されていますが、依存性物質であるニコチンやその他の有害物質を吸引する製品であり、タバコよりも健康被害の低減につながるという科学的な根拠は確立されていません。
また、日本呼吸器学会は、非燃焼・加熱式タバコや電子タバコについて以下のような見解を報告しています。
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加熱式タバコや電子タバコが産生するエアロゾルには有害成分が含まれており、健康への影響が不明のまま販売されていることは問題である。
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加熱式タバコの喫煙者や電子タバコの使用者の呼気には有害成分が含まれており、喫煙者・使用者だけでなく、他者にも健康被害を起こす可能性が高い。
* 日本呼吸器学会:「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解」について